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東京医大の一律減点のニュースを聞いて考えたこと

東京医科大学が、大学受験で合格者数の男女比を調整するためにペーパーテストの女性の点数を調整していたことが発覚した。強い憤りと脱力を覚える。簡単に、今持っている知識と経験から感じたことを書いておきたい。

※もちろん、専門的な観点から間違っていることもあるかもしれないが、素朴な感想を記しておきたい。

 

1.私は女性であるから単純に女性が不当に不利益を被っていることに憤りを感じる。今回の一件は、この社会が構造的に男女差別がないと成り立たないとのであるということを露呈したと思う。また、こういった不公平は性別だけでなくその他の属性でも起こりうる。女性の問題とだけとしてはならない。今回の一件は、女性視点からすると職業選択の幅が狭められている事象だが、男性からすれば長時間労働等の過酷な労働環境を是としてしまっている。男女問わず、体を壊す可能性はあり、一部の強靭な人間を基準とした体制は、破綻を招くと思う。

 

2.この一件は、ペーパーテストの価値(あるいは、建前)を貶めた事件だと思う。教育機関としては、男女差別もさることながら、この点のほうが問題だと感じた。

ペーパーテストは、出自と関係なく、個人の勉強によって結果を得られるものである。もちろん、社会階層の研究等で、年収と学力や進学結果との間に相関関係があることは明らかにされているが、私は現状でペーパーテスト以上に公平に実施できる評価方法は生み出されていないと思っている。学力以外のボランティア経験や人間性を元に評価しようとすると、学力以上に育った家庭環境が勝負の鍵を握るだろう。ペーパーテストが最善とは言えないが、現状では結局ペーパーテストが最適になっているというのが、私の考えだ。

それにもかかわらず、点数を受験生の性別によって操作していたとなれば、公平性も何もあったものではない。

素朴な感想としては、教育機関として、あってはならないことが起こった、と思った。

 

3.憤りや意見を表明しなければならないと強く感じた。

女性問題やジェンダー関係は、取り扱いが難しいので日常生活から言及を避けたいと思っているのだが、あまりに今回の一件はひどいと感じ、こういった不公平は不公平であると声をあげねばならないのではないか、と強く感じた。

 

その他にも、この件に対する諸意見から、経済的格差が広がっているのか? とかも考えてたけれど、この点についてはとっちらかっているので、とりあえずもう少し自分の中で整理したい。

 

それにしても、本当にやりきれない出来事が発覚してしまったな、と心から思う。

この発覚によって、少しでも何かが前進するとよいな、と思う。